公開日:2013年1月27日
DTP作業を安全に、確実に行なうため避けては通れないのが、「ファイル/フォルダの管理」です。
・ネイティブ入稿をするとき
・作業者が途中で変更になったとき
・改版、増刷、一部改訂が発生したとき
等に備えて、限りなくわかりやすいフォルダ構成にしておく必要があります。
下図は、私が書籍の作業をする際のフォルダ構成です。
この記事では、「画像ファイル」と「Link」フォルダをターゲットにして、「どうやって管理したら安全か」を考えていきます。
「Link」フォルダの中は、「1章」「2章」…と分けています。これは、あらかじめ支給画像を章ごとに分けておくことで、画像が多くなった場合の「Link」フォルダ内での混乱を避けるためです。別の方法として、画像ファイル名を「chap1_001.psd」…「chap2_001.psd」…のようにしておいて、「Link」フォルダにまとめて入れておくという方法もあります。これで、フォルダ、ファイルの選択ミスを減らすことが出来ます。
「章ごとにすべての画像が支給されない」ケースには、「1章-1」「1章-2」…と管理しています。
章ごとのフォルダは、「元」フォルダと、各画像ファイルが入っています。
「元」フォルダには、「支給された状態のまま」のファイルを入れています。画像ファイル名は、前述の「chap1_001.psd」…「chap2_001.psd」…の方式で、通し番号を付けています。通し番号でファイルを管理するには、「Adobe Bridge」が便利です。一定の規則にしたがって、リネームが出来ます。
無事初校を出し終えて、赤字が戻ってきました。その中には、「画像の差し替え」の赤字があったとします(差し替え用の画像は支給されているとする)。この場合には、「●章」フォルダの中に差し替え画像を入れるのではなく、「Link」フォルダ内に「●章差し替え」フォルダを作成して管理します。「差し替え」フォルダ内の管理は、②「●章」フォルダの管理と同じ方法で行なっています。
さらに3校目で画像の差し替えが発生したときは、「●章差し替え-2」と、差し替えフォルダに番号を付けて管理します。
・章ごとにファイルを分けているので、目的のファイルを探しやすい
・差し替え時に、使用する画像を探しやすい
等が挙げられます。
・章をまたいだ画像の差し替え(例:1章で使用していたAという画像を、3章のCという画像に差し替え)に弱い。例のような修正が発止した場合、ファイルを厳密に管理するならば、linkフォルダ内を行ったり来たりする必要が出てくる(「3章差し替え」フォルダに1章のAファイルを入れるという方法もありますが)
・フォルダを「link」フォルダ内の入れ子構造にしているので、InDesignの「配置」からだと、階層をたどるのが面倒
等でしょうか。
「フォルダ構造は他の人にも分かるよう、出来る限りシンプルに、分かりやすく」が理想です。一人で作業しているぶんには、自分に分かる程度にシンプルにしておけばあまり気にはなりません。ただし、「複数人で作業する際、これは良いやり方なんだろうか?」「これが最善の方法と仮定して、どう他の作業者に伝えるか?」を考えている必要があると思います。私は書籍ベースで、XMLやデータ結合等を用いない方法での管理を紹介しましたが、「雑誌」「チラシ」等他の形態での画像ファイル管理や、「こんなやり方をしてるよ」という考えを、是非聞きたいと思います。