公開日:2016年2月27日
Illustratorで仕上がりサイズや裁ち落としを指定しているepsファイルはその限りではないのですが、Photoshop epsや、出身がIllustratorではないepsは、Illustratorで直近に作成した[新規ドキュメント]の数値でアートボードが作成されます。
というのも、先日やっていた仕事(epsをInDesignに貼って、見出しのみ上から乗せるもの)で、こんなのがあったからです。
1:大元はTeX(テフ)のepsを開く
2:あれ、初校のepsとアートボードサイズが違う
縮尺が違うからこれで全ページ貼り直しはやばい…どうする…
3:ん? そういえばこのアートボードサイズは前回別の仕事で作ったものの大きさのような…
4:新規ドキュメント作成から数値変えてドキュメント作る
5:epsを開く
6:4で設定したアートボードサイズで開いた
ということで、Photoshopで保存したepsを使って例示します。
もとの画像は、W47mm×H22mmです。
Illustratorの新規ドキュメントでは、W210mm×H297mmと設定します(1)。
epsをIllustratorで開いてアートボードサイズを確認すると、(1)で設定した大きさになっています。本体とは全然違うサイズです。
一度epsファイルを閉じて、次は、Illustratorの新規ドキュメントを、W50mm×H30mmと設定して作成します(2)。
epsファイルを開いて、アートボードサイズを確認すると、(2)で指定したサイズになっています。
今回、この仕様に気づいていなかったら、全ページ貼り直し&再確認が発生してしまうところでした。ふぅ~…。
epsをDistillerにドラッグアンドドロップしてできるPDFは、そのドキュメントのバウンディングボックスのサイズになります。「孤立点は削除しろ」が入稿時に必須のチェックポイントなのは、この挙動によってとんでもないサイズのPDFになるのを防ぐためのものですよね。
この挙動を考えると、当エントリでとりあげた、Photoshopや他ソフトから書きだした、「仕上がりサイズや裁ち落としの情報がないeps」のアートボードサイズに関する動作も、納得のいくものに思います。ちなみに、epsファイルだけでなく、jpgやpsdなどをIllustratorで開いた時にも、アートボードサイズはこのような動作をしました。