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ダミー文字は「違和感」が大事

公開日:2016年11月4日 

 文章が決まっていないときに、該当箇所に入っていることを想定してダミー文字を入れます。

 最終的には本来の文章に差し替えるため、「違和感」が大事です。よって「空白のほうが」とは言い切れない面もありますが、自分の仕事の範囲では「仕上がりイメージの確認以外なら、ダミーは入れずに空白にするのが安全なんじゃないか?」と思うようになりました。

ダミーは主張しないと!

 ダミー文字は、チェック時に「そこには本来の文章が入っていない」ことに気がつかないといけないものだからです。

 ダミー文字はよく「〓」を使って「意味のない文字列」を作るわけですが、これだと漢字、数字、英単語が無く「出来上がりを想定しづらい」ため、仕上がりイメージを出す際は適当な文章でダミーを作らざるを得ません(「これはダミーです」とか「ここにリードが入ります」とかLorem ipsumとか)。

「これはダミーです」の罠

 しかし「何か適当な文章」が落とし穴です。

 仕上がりイメージを作るときのように、位置アタリ用の箇所にまで意味のある文章を置いてしまうと、「それっぽいもの」があるように見えてしまい違和感が薄れ、見落とす危険があります。

 例えば、下記リンクで紹介されている事例が「ダミーが印刷までそのままだった」の典型です。

蛸巻日誌 2nd 同僚が買った本がヤバい(校正的な意味で)

金沢工業大学の学長が寄稿した文章がロックすぎる

 急いでいるとき(そう、例えば校了が迫っているとき。ただでさえ最近はチェックに使える時間が減ってる気がするし)には校正に関する注意力はかなり落ちるので、文章量が多いものだと、「木を隠すなら森の中」と言わんばかりにダミーが埋もれてしまいます。
 結果、「流通まで達してから見つかる」という恐ろしい事態に…

仕上がり確認など、どうしても文字を入れるなら

 Facebookにて、「左右反転したらどうか」というコメントをいただきました。

 この方法なら、ダミーの違和感が強化されるので、ダミーに意味のある文字列を使っているときもスルーしてしまう危険性は低くなります。

 ただ、「左右反転文字でお客様にお叱りを受けた」とのコメントも合わせていただいたので、使い所には見極めが必要そうです。

記号か、文字か。空白か。

 では、ダミーを入れる場所にどう違和感を作るのか。

 結局はケースバイケースで注意するくらいしか決定的な対処方法はないんですが、大まかに言えば書籍の扉など「テキスト量が少ないアイテム」のときはダミーに文字あるいは記号を、本文など「テキスト量が多いアイテム」のときは空白を入れるのがいいのかなと思います。

テキスト量が少ないアイテム
テキスト量が少ないアイテム

テキスト量が多いアイテム
テキスト量が多いアイテム



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