公開日:2011年12月21日
テキスト変数とは、InDesign CS3から搭載されている機能です。
変数というとなにやら物々しいですが、ざっくり言うと、「段落スタイルや文字スタイルの適用されている内容や、ファイル名や修正日、時間などの情報と、変数を挿入した部分の文言を連動させる」といった機能です。
使用例として最も多いと想定されるのは、下図のような「見出しの内容がそのまま柱の内容になる」ドキュメントです。
柱に変数を挿入するには、テキストフレームまたはフレームグリッド上にカーソルを置いた後、[書式→テキスト変数→変数を挿入]を選択します。作例では、[ランニングヘッド・柱]を選択しています。
変数の詳細な設定を行なうには、[書式]→[テキスト変数]→[定義」から、[テキスト変数]のダイアログを表示します(下図①)。
「編集」を選択し、[テキスト変数の編集]のダイアログを表示します。ここで、詳細な設定を行ないます。ただし、デフォルトのままだと、連動させる段落スタイルが[基本段落]になっています(下図②)。そのまま挿入するとドキュメントページ上では空白、または意図しない結果(下図③)になってしまいます。のようになります。
作例では[基本段落]を使用しているテキストはないので、空白が挿入されています)
そこで、[書式→テキスト変数→定義]から、使用できるように設定します。ここでは、段落スタイル[02_大見出し]を設定したテキストと、柱を連動させたいので、[ランニングヘッド・柱(段落スタイル)→スタイル→02_大見出し]を選択します。下図では、「柱のあるページの一番始め」に出てくる[02_大見出し]スタイルが設定されているテキストを拾ってくる設定になっています。
柱のあるページに該当のスタイルが無い場合は、前のページのスタイルまでさかのぼって拾ってきます。
ドキュメントページに戻ると、該当のスタイルが適用されている文言が柱にもはいっています。(下図参照)これで、見出しと柱の文言を連動できます。
見出しの文言を「「海賊王」に、オレはなった!」に変更すると、下図のように、柱にも変更が反映されます。
また、変数は新規作成できます。
似た機能にセクションマーカーがありますが、セクションマーカーだと、セクション設定で入力しなければならないので、どうしても漏れが発生するリスクがあります。テキスト変数だと、内容の修正と連動してくれるので、修正漏れを減らす事ができます。見出しやタイトルと、柱の内容が同じくなる制作物では、心強い機能です。
セクションマーカーとテキスト変数とは組み合わせて使う事もできます。挿入された変数に段落スタイルを適用できますが、先頭文字スタイルや正規表現スタイルは変数内の文字列には反映されません。
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